KIOKU = 創　世

無が時を放ち永遠の中で闇が生まれた。
闇は闇を生み、闇は広まっていった。
闇は争いも、憎しみもない、静かな平和世界だった。
闇は永遠を約束されていた。

時は闇に希望を与えた。
膨大な闇の片隅で光が芽生えた。
光は怒り、憎しみ、悲しみ、戦いを好んだ。
闇と光は水と油のように交わる事ができなかった。
光は徐々に力を増して闇を飲み込んでいった。
いつの間にか、闇と光は対等の力になっていた。

均衡が保たれたままの永遠の流れの中で、
時は、闇と光の交わりを許した。
闇と光の融合が始まった。
そしてそれは、加速した。
そして、混じり合った。
その中から何かが、生まれようとしていた。
それは、今まで感じた事のない物だった。
それは、光を浴びて、闇を創った。
それは、触れる事ができた。
これこそが、人界の創世であった。
時は無の素で人界を中心に地に闇を天に光をやどした。

輩が誕生するのは、まだ先の事だった。